ご存知だと思いますが、筑附中の音楽の問題はすべて放送問題です。
まずは1番について考えましょう。当然私は試験場にはいなかったので、おそ
らく受験生たちから聞き取ったものを編集したと思われる出版物に書いてある
ものを問題として考察します。
『ある曲を4つの部分に分けて、順序を変えて放送します。元の曲になるように
並べなおし、指定された順番(例「3番目」など)を選びなさい。』
1番はこのような内容だったようです。曲目は「おぼろ月夜」でした。
近いところで2017年度にもほぼ同じような問題が出題されており、その際の曲
目は「われは海の子」でした。
2曲とも小学校の教科書の共通教材ですね。
こういう問題の攻略法は、もちろんその曲をしっかり覚えることですから、自分
で歌ってみたり、楽器で演奏してみたり、歌詞を書いてみたりする対策が当然
考えられます。
このような対策をするにあたり、私はお子様がしっかり曲の(「おぼろ月夜」)5
線譜を思い浮かべながらやることを是非お勧めします。
今回の2019年度の問題でも3番は解答用紙に5線譜が印刷されており、その
中の間違っている音符を選ぶ問題でしたから、筑附受験をお考えなら5線譜
が読めることは絶対に必要だと思います。
1番に関しては、耳のいいお子様なら5線譜を思い起こさないでも正答するの
は可能ですが、より確実、明快に曲を覚え、知るために、是非5線譜とともに覚
えてほしいと思います。
5線譜の読み方が曖昧なお子様は、がんばって読めるようになって下さい。
5線譜を読むのは、それほど難しいことではありません。
また、ピアノやバイオリンなど、音楽系の習い事をされているお子様の親御さ
んに、「5線譜は当然読めるだろう」とは思わないで、本当にしっかり読めている
か是非確認して頂きたいと思います。
なぜなら、習い事の先生それぞれのお考えで、ソルフェージュ(譜読みを含め
た音楽の基礎教育の総称)の教え方や時間のかけ方が違うので、お子様の個
性や先生との相性も加わり、結果としてお子様にソルフェージュがあまり伝
わっていない場合があるからです。
このような場合、長くお稽古しているのに5線譜がしっかり読めないという事態
が誰のせいでもなくおこっていしまうことが、時としてあります。
実際私も先生を変わってうちの教室に来られた生徒さんの中に5線譜の譜読
みが苦手なお子様がいて、相当はじめの方に戻って譜読みをお教えしまし
た。
ですから親御さんには是非お子様の読譜力のご確認をお勧め致します。
話がそれましたが、1番のような問題は当然来年度も出題される可能性がある
ので、教科書の、特に共通教材の曲には早いうちから親しんで頂き、すべて
の共通教材の曲を5線譜を思い浮かべながらすぐに歌えるくらいにまでなれば
いいと思います。