私はピアノレッスンで、生徒さんがいつでも弾ける曲=「持ち曲」をつくるように
しています。
特別に用意した曲ではなく、楽譜に載っている曲を進めていく中で、じょうず
に弾け、且つ生徒さん自身が好きな曲を「持ち曲」と呼んで、しばらく弾くこと
にしているのです。
この「持ち曲」を持つことで、生徒さんの「ピアノが弾ける」という実感が高まり、
また長く深くさらうことになるので、ピアノ上達にも役立ちます。
もちろん楽譜に載っている他の曲はそのまま進めていきます。
ですから生徒さんの無理のない範囲で「持ち曲」を作るように心がけ
ています。
この「持ち曲」は、生徒さんがふと「ピアノが弾きたい」と思った時、そ
の“威力”を発揮するんですよ。
すぐに弾けるその「持ち曲」が、生徒さんのその時の気持ちに寄り添い、
心を分かち合い、まるで友のような存在になるからです。
ですから今では「この曲『持ち曲』にしたいです」と自らリクエストする
生徒さんもいらっしゃいます。