「作曲家について覚えるシリーズ」で、「バロック」、や「古典派」などの言葉が出てきますので、今日は教科書などの記述をもとに簡単にそれらの言葉の説明を致します。要は簡単な音楽年表ですね。
古代・・・今日の西洋音楽の起源は、古代ギリシャ・ローマにあるといえます。当時の音楽は残っていませんが、遺物や壁画などから当時の音楽を推測できます。(紀元前から5世紀前半くらいまで)
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中世・・・この時代、当時のローマ教皇グレゴリウスの名にちなんだ「グレゴリオ聖歌」がうたわれました。グレゴリオ聖歌は単旋律で教会旋法に基づいており、リズムに関しては不明な点が多いです。この後の多声音楽は、このグレゴリオ聖歌に第2声部を付け加えることから始まりました。(5世紀後半くらいから15世紀はじめくらいまで)
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ルネサンス・・・多声音楽が発達し、複数の独立した旋律を同時に組み合わせる「対位法」という作曲技法が完成しました。この時代には楽譜印刷の発明や宮廷音楽の発展もありました。(15世紀はじめくらいから17世紀はじめくらいまで)
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バロック・・・作曲技法に通奏低音(曲を一貫して支える低音)が用いられるようになりました。この頃オペラが誕生し、器楽曲、そして独奏楽器と合奏から成る協奏曲が発展しました。(17世紀はじめくらいから18世紀前半くらいまで)
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古典派・・・この時代に確立した主な作曲技法は「ソナタ形式」です。この時代以降のソナタは通常3つまたは4つの楽章からできていて、ソナタ形式はその冒頭の楽章で用いられます。またこの時代は器楽、特にめざましく発達したピアノのための作品が盛んに作曲されました。さらに交響曲、弦楽四重奏曲が生まれ、多くの協奏曲も残されました。(18世紀後半くらいから19世紀前半くらいまで)
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ロマン派・・・この時代は即興曲やバラードなどの自由な形式のピアノ曲、交響詩などの標題音楽、文学的な内容を持った作品などが作曲されるようになりました。個性を重んじ、文学や詩と結びついて、形式にとらわれずに人間の感情を自由に表現するようになったのです。音楽雑誌が創刊され、音楽批評がはじまったのもこの時代の特徴です。(19世紀後半くらいから20世紀はじめくらいまで)
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近代・・・19世紀末から20世紀にかけて音楽は大きく方向転換し、新しい時代に入りました。ドビュッシーらの印象派の音楽がその先駆けとなり、また第1次大戦直前には、調が全くない音楽や、リズムが変化し続ける音楽も生まれました。(20世紀はじめくらいから現代まで)
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現代・・・社会の急激な変化とともに、コンピュータ・ミュージック、西洋以外の様々な国の音楽の要素や特徴を取り入れた音楽が生まれました。一方、20世紀後半に著しく普及したポピュラー音楽、デジタル・オーディオ機器とも関連し、調や規則的な拍を復活させる作曲家も増えています。(20世紀はじめくらいから現代まで)